可愛くないボケ

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    以前に「ボケは可愛い」と書きましたが、やはり認知症の方々と同じフロア―で生活していると「可愛いどころではないんだ」と思うようになりました。あるお年寄り車椅子でどこにでも移動します。「危ないから」などと注意しても無駄。聞く耳を持たないのです。先日「皆が心配していますよ」と言うと「死んだんですって?」誰もそんなこと言わないのに・・・すでにその方の潜在意識には「自分はもう90を過ぎているからいつ死んでも不思議ではない」きっとそんな声がどこからか聞こえているのでしょう。そんな屈折した心が垣間見えてしまう。言葉を素直には受け取れなくなっているようです。この方きっと耳が遠いのでしょう。大きな声で介護員さん達に付きまといます。自分の味方が欲しい自分の寂しさの味方が欲しい。 素直さなんてない。そうです。海千山千を経てきておられる高齢のお婆さん達の心中はいい加減ひねくれています。昔の人達はこんな老婆達を「山姥」「鬼婆」あるいは「魔女」などと呼んだようです。悲しくなります。ある介護員さんの話。「さっき呼ばれたから部屋に行ったら何故早く来てくれないの?何か疚しいことしてるんでしょう?今度見張っていますから」と言われたそう。一種の被害妄想。これも悲しくなります。年取るって心が歪んでくるらしい・・・自分は絶対に介護員にはなれない。でも平然として何を言われても粛々とお仕事をこなしておられる職員の方には頭が下がります。大変な職業です。精神的にストレスがたまりそう。それで考えるのですがお年寄りの話相手にロボットを使えないか?ロボットならどんなことでも返事してくれます。傷もつきません。介護員達の精神状態を楽に出来るのなら是非考えてください。よく巷では施設・幼稚園等の職員のパワハラがニュースになります。さもありなんと思います。どちらが原因かなんて分るはずがありません。どちもどっちですから。弱者側が悪いとは言い切れない。そんなグレイゾーンに立ち会ってしまう自分はいつももやもやです。施設生活での憂鬱。

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