『師任堂、色の日記』は、2017年にSBSで放送された韓国の連続テレビドラマ。主演はイ・ヨンエ(『宮廷女官チャングムの誓い』等が日本で公開さる)とソン・スホンで、タイトル・ロールの師任堂をイ・ヨンエが演じた。師任堂は約460年前の朝鮮王朝時代の著名な画家で、韓国の5万ウォン紙幣に肖像が採用されている人物である。イ・ヨンエはサイムダンと現代の大学の非常勤講師役をも(1人2役)演じている。 ウィキペディア 脚本はパク・ウンリョン、朝鮮美術の世界観を彩る美術を監修するのは韓国の名だたる美術研究家・アーティスト・グループエイト。
あらすじ
サイムダンは画家の“聖人”と呼ばれており、儒教学者のコレコク(イ・イ)の母として、韓国では「良妻賢母」の象徴として知られている。本作ではイ・ヨンエが朝鮮時代(14世紀)のサイムダンと現代21世紀の大学講師であるジュンの2役を演じ切る。朝鮮時代の女流画家サイムダンとして、現代の絵画研究者ジュンとして、一人息子(ウンソ)を育てるジュンは、イタリアと日本の時空を超えて二十写しになり物語は展開する。韓国の大学の闇も描かれており学者の世界はどこも同じ。物語は封建時代の朝鮮時代と男尊女卑が残る現代を飛び越え重なり合いながら展開してゆく。
サムダンは流民達と楮を育て紙をすき、其の紙を作り売り裁き資金を作り、思う存分絵を描き、人々の噂になりやがてその絵は王の目に留まり肖像画を描くまでになる。貧乏、窃盗に会いながらも絵を描きたい気持ちは消えることなく彼女の絵は人々の目に留まり、ある詩画展で競い合うまでになる。ライバル(ファイムダン)との嫉妬心の交じり合った心理的争いにもハラハラする。その他物語の紆余曲折がありサイムダンの父親の事などが明かされてゆく。「なるほど、サイムダンの絵心は父の影響であったか」等「(両班の王子)ギョムの家庭」なども明かされて物語は膨らんでゆく。初恋のギョムは20年後もサイムダンを忘れることが出来ず「生涯貴方を守る」と影になり日向になり彼女を助ける。「何故2人はこうも似ているのだろう?」と心が一つであることをドラマの最後まで歌っている。生涯の純愛物語。
韓国美術史を専攻し大学で非常勤講師を務めるジュンが、世紀の大発見と言われる絵画「金剛山図」の発表を指導教授のミン・ジョンハク(チェ・ジョンフェ)教授に任せられる。しかし贋作問題が持ち上がる。その絵の真偽を巡り2人は対立していた。ジュンは教授就任をかけた重要な会議に出席するためイタリア・ボローニャに向かう。イタリアの学会で教授の悪意あるアカハラ(アカデミック・ハラスメント)を受けるジュン。いつの間にか教授はジュンを免職にしていた。失意の帰国を準備する中、偶然サイムダン(イ・ヨンエ2役)の日記を手に入れたジュン。本に押されていた印を手掛かりにある古宅を訪れるとそこには自分そっくりな女性が描かれた「美人画」があった。日記を読み続けるとそこにはサイムダンとイ・ギョム(ソン・スホン)2人の芸術家の切ない愛と「金剛山図」の真作の行方が書かれていた。
隣り同士の幼い2人が塀を乗り越え偶然出会い、絵を描くことで互いに心を寄せ合いその純愛が絵画を通し結ばれてゆく。互いにこの世では結ばれない2人の運命が絵画を描くことにより生涯の愛を貫くと言う互いの情熱に我々は突き動かされる。サイムダンとギョムが子供のころから憧れていた金剛山に上り2人でこの絵図を書き上げるシーンは圧巻。夢なのかフィクションなのか?不思議な広がりを持った作品。
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