韓流ドラマの紹介・・・

　　　韓流ドラマはBSで視聴出来ます。今までに観たドラマの中で特に心に残った物を２～４編紹介します。

　　　まず『風の絵師』：主人公は１8世紀に実在した天才絵師キム・ホンド(パク・ニシャン）とシン・ユンボク（ムン・グニョン）2人はその才能を王に愛されたために、時の権力に翻弄され多くの困難を科される。そして、二人は互いの存在を確かめ合いながら惹かれあっていく…。朝鮮最高の画家にしてユンボクの才を見抜くホンド、絵画に秘められた謎を解き明かしていく、歴史アート・ミステリー!! ボンドの回想から初まるシーンから我々は物語に引き込まれて行く。

　　　あらすじ：　時は1776年。密命により王の肖像画を描いていた元老画員（ユンボクの父）の謎の死を契機に、その事件を調査していた画員らの殺人事件が次々に勃発。それから10年後。中堅画員であるキム・ホンドと新入りのシン・ユンボクの才能に理解を示す王。2人を忌み嫌う臣下らが二人を亡き者にしようと企て、結局二人は宮廷から追放されてしまう。しかし王は、同時に10年前に描かれた王の肖像画を探し出すよう二人に密命を出す。果たして二人は、謀略と危険をくぐり抜け肖像画を見つけ出し、関係者の死にまつわる秘密も明らかにすることが出来るのか!?
　　　　実は、ユンボクは父の死の真相を解明する目的で女人禁制の図画署に入るため男装していた女性だった（ユンボクは女装を強いられ生きなければならない運命を背負う）心を偽れない矛盾に悩むユンボクが描く絵には人の心を掴む力があった。天才的なユンボクを愛する弟子として、想い人・女人として愛するボンドの苦悩と喜び。

18世紀に実在した二人の天才絵師と現存する彼らの名画をベースに、大胆な着想を交えて紡ぎ出した新しい歴史ドラマ！
　　　　
　　　この物語はボンドとユンボク2人の愛とその運命を描く、全く新しい歴史ドラマである。

画工署、そこでは古典主義的な風景絵のみが許され、俗画・春画は淫らなものとされ、ユンボクの絵が春画・俗画か否かで論争になったり、それを描いた画家に刑罰（腕を切り落とす刑）を与えるか否かで周囲の画工員達が戦々恐々となったり、その競い合いが俗画を理解する王の評価によりユンボクの勝利となる。物語の筋が複雑に絡み合い、最後には王が雅号「檀園」＝ボンド、「慈園」＝ユンボクの二人に先王の肖像画を描かせ競わせ勝利者が決まる。もう因習的な図画署に戻りたくないユンボクはボンドと分れ、旅に出て物語りは終わる。　　　　　　　　　

　　　　　まずドラマの舞台になっている韓国の自然描写・風景が美しい。主人公同志の会話もやりとりにも妙味がある。師匠に「絵師としての資質は？絵を描くことは？」と問われ「懐かしさを描くことです」「懐かしい物はその人です」そのような、問答も深く面白い。「芸術家魂は武士のそれに等しい。切られるか切るかの命を懸ける切実なものだ」等。

　　　　　このドラマで重要な役割を果たす妓生について。　　キーセン：妓生（きしょう/キーセン、기생）について少し解説しておこう。元来は李氏朝鮮時代以前の朝鮮半島に於いて、諸外国からの使者や高官の歓待や宮中内の宴会などで楽技を披露したり、性的奉仕などをするために準備された奴婢身分の女性（婢）のこと。（ウィキペディア）社会的地位こそ低いがその美貌で男共を虜にして権力の座さえ奪う事が出来た。彼女たちの手練手管にもハラハラする。美しい女性に魅せられてゆく男性たちの純な心の動きを見るのもワクワクする。日本の花柳界に似ている。女あってこその男である。

　　　　　「図画署」も重要な国の専門機関でありドラマの中で重要な役割を果たしている。王の肖像画（御影）を描き、宮中の図画・土地の地図・記録画・宮中行事画・王宮内の装飾画などを描く・印刷物の下絵・陶磁器の模様など国政に関わる図画を残す業務を行っていた。中でも王の御影を描くのは高く評価されていて名誉なとことされていた。この役所はこの『風の絵師』『師任堂』（サイムダン・色の日記）』『イ・サン』にも登場する。時代的に男尊女卑の時代背景で才能ある女性の栄光と悲劇を描いている。現代にも通ずる悲喜劇。

見どころは随所にあるので是非ドラマを観る事をお勧めします。

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